ゆえん

わたしは、ダニエル・ブレイクのゆえんのレビュー・感想・評価

4.1
どうしてもダニエルとケイティに肩入れして役所の人たちに憤りを覚えてしまうけれど、それぞれのバックボーンを知っている観客と違って劇中の役所の人たちは“データ”を見ることしか出来ないから、そうして制度の穴から抜け落ちてしまう人がいるのは現実でも同じなのだろうな、と思う。
って考えてみると実際に私の父も無呼吸症候群と診断されているのに基準を満たさず症状緩和装置に保険が降りなくて断念した経験があったことを思い出して、無情さとか不条理はものすごく身近に存在するものだとぞっとした。

やりきれない思いがつのって自分の無力さに絶望してしまった。
お門違いだけど、不自由なく生きていられる生活に申し訳なさすら感じてしまったり、人生の複雑さに頭を抱えている。
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