主人公は老人ダニエル・ブレイク。妻をなくし、心臓も悪くし、医者に仕事を止められた彼は、生きるために役所で福祉の援助を頼るが、複雑な手続きと厳しい審査のために援助を打ち切られてしまう。
そんな中、同じく役所の手続きで苦労する、二人の子を持つシングルマザーと出会う。
ダニエルは自身が苦労しているにも関わらず、彼女と子どもたちを気にかけ、無償で家の修理や子守などをして手助けをする。
この作品は現実の現在のイギリスそのものだ。不況と緊縮財政が続き、貧困に陥る人々は益々増え、得る職もない。
福祉も余裕がなく、全員に十分な援助をすることはできず、最も援助を必要とする弱者に福祉の援助が届かない。
希望なき厳しい現実だか、皆が苦労する中でダニエルのように人々は助け合うことができる。人々の繋がりや優しさが唯一の希望なのだ。
人に優しくする。そんな当たり前なことの大切さを教えてくれた映画。