shihong

わたしは、ダニエル・ブレイクのshihongのレビュー・感想・評価

5.0
久々に良い映画を観た。
帰りの電車で思い出しては涙浮かぶくらい。

安定のケン・ローチ。
辛いのがケン・ローチ。
でも辛さだけじゃないのがケン・ローチ。

最初、予告編を見かけたときは、ケン・ローチと知らず都合が合えば観にいこう、ぐらいだったけど、いやいや観に行かなければ後悔する、と思い直して正解。


映画好きを自称するなら、彼の映画は外してはならない!


そりゃマッチョのむきむきが闘うのも好きですが。

無駄も隙もなく人間を撮影し、彼らの息遣いさえBGMにしてしまう、しかし押し付けがましくなく。

ダニエルのドキュメンタリー映画のようなリアリティで淡々と物語は進み、社会の現状を写し出す。どこの国かは関係ない。
最初は気難しい頑固親父かな?と思たけどそうでもなかった。でも、最初がまずかったんだけどね。。

機能していないシステムに憤るも従順にコトを進めるダニエル。
関わる人は基本的に良い人ばかり。
お互いに助け合いながらもう少しで前進しそうな時に。。。

結末は予想できたけどあの終わり方はズルい。
エンディング中だけじゃ涙は引っ込まない!!

キレッキレじゃないかケン・ローチ。


抗うわけではなく、ただ人としての尊厳が欲しいだけ。
一市民である、ダニエル・ブレイクだ。

彼のスピーチとして聞きたかった。


ケン・ローチの映画は、いつだってやるせない。
そして見せつけられた我々は
そのやるせなさの向こう側に進まなくてはならない。
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