このレビューはネタバレを含みます
ダニエル・ブレイクはジョーカーにはならなかった。最後まで人と関わり続けていたからね。
しかし、役所に落書きしただけで、集まった人々がそれに賛同しだすところを見ると、やはりぞっとしますね。
アーサー・フレックやダニエルのような存在は、「引き金」としていつでもデモや過激な集団行動や暴動を引き起こす恐れがある。しかも彼らは特別な存在じゃないから、「引き金」は潜在的に無数にいる。
銃を持った集団の中で、例えば子供が間違って打ち上げ花火を打ち上げてしまっても、集団は誰かが発砲したと思って撃ち合いになるだろう。
日本にだって、「引き金」は無数にいる。間違って(あるいはわざと)花火を打ち上げちゃう「子供」のような存在だって確実にいる。
パソコンがわからないからと、愚痴だけ言って世を嘆いて、若者世代を敵視して老後を終えてしまうよりは、ダニエルのようにパソコン教わりに行くぐらいの行動力なんて、なんでもないと思う。
と、携帯のメールすら打てず、全く覚える気すらない私の母を見ながら思ってしまった。