たから

わたしは、ダニエル・ブレイクのたからのレビュー・感想・評価

4.0
イギリスの方が統計的な格差は大きいかもしれないけれど、少なくとも劇中のように近所との交流やフードバンクなど、相互扶助や民間の福祉が根付いている。翻って日本を考えると、貧困層は『万引き家族』の家族のように、社会から見えない存在に成り果ててしまってはいないか、と思う。
劇中出てくるBedroom Taxには耳を疑ったけど。

役所のたらい回し感、融通の効かなさ、担当者による対応の差がまさに欧州のそれで100回頷いた。

最近万引き家族やパラサイト、そしてこの映画と貧困をテーマに描いた映画を続けて見た。
三作とも違った観点で貧困を捉えていて、かつ全てパルムドール受賞作だけあって映画としても面白いけど、貧困をエンタメとしてただ消費するだけにならないように自戒したい。そして真面目に生きていきていようといまいと、自己責任論を唱え出すような人間にだけは絶対になりたくないと思う。
たから

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