マーくんパパ

わたしは、ダニエル・ブレイクのマーくんパパのレビュー・感想・評価

4.1
共感満載、心に滲み入るイギリス映画。心臓病で職を失った老齢大工のダニエル、失業手当の申請に行っても煩雑な手続きと嫌がらせの様なたらい回し。歳とってくると怒りっぽくなるし慣れないパソコンとの格闘でますます苛つく気持ちよ〜くわかります。しかしこのダニエル、よくいる偏屈爺さんではない、ロンドンからこの街にやって来た貧しいジングルマザーのケイティ一家に同情し家を直してやったり子供の面倒を見てやったり弱者同士助け合う。この2つの家族の交わりと弱者に厳しい社会保障制度を併せ鏡に物語は進む。余りの空腹に耐えかねたケイティが食糧支援コーナーの缶詰ソースをその場で食べ出す所で涙、好き好んで社会に寄生してない人たちの尊厳までも否定する事への抗議として壁への落書きスプレー「わたしはダニエル・ブレイクだ」に拍手、最後の「鉛筆手書きの履歴書」にまた涙。