このレビューはネタバレを含みます
ブランカとギター弾きとはまた別の角度でスラム街の貧しさを映し出す。
スーパーの店員の手元のショットから始まり、釣り銭切れを機に、お金によって行動させられることを宿命づけられたローサの一夜が動きだす。
ときおり、ローアングルになり、無我夢中に歩き回り、泥がかかる兄弟の足下が印象的だった。
腹が鳴ってはとばかりに肉団子をほうばるローサに対し、堅実に働き、屋台を閉める家庭の一場面から、何故私があちら側では無いのだろうか、そんなことを考えるのだろうか。
それでも、こうやって生きるしかなかったんだろうか。
選択の自由なんて考える間もなく、選択しなければ、生きることはできない世界なんですかね。