mira

ローサは密告されたのmiraのレビュー・感想・評価

ローサは密告された(2016年製作の映画)
4.3
密告という如何わしい行為を、被写界深度の浅いカメラ、ピンボケしたように狙ってみせる(ノートの文字以外のピンボケとか)ことや、グラグラした手持ちカメラ(ライド感の獲得)を使うことで真偽の曖昧さを作ってる。方法論としてはフェイクドキュメンタリーのようだけど、これをフィクションでやるのがすごい。それと、芋づる式にパクられ、次から次へキャラが登場するのがいい。サツの汚職も露呈し、人間関係の立体的な構造が見えてくる。警察署での密告によって壁一枚を隔てたサスペンス(エアコンの下へ行ったときのポジション)が生まれ、これがまた如何わしい。ローサをパクるときの劇伴の使い方が巧くて、土砂降りの雨とサツが乗り込んでいく画面の吸引力に、映画内の音かな?と思っていると徐々にノイズが大きくなってくる。ただ以降の劇伴はないほうが好みかな(突き放してほしいから)。情に寄りすぎな気がした。しかしながら、めちゃんこ面白い映画でした。
mira

mira