TaiRa

ラビング 愛という名前のふたりのTaiRaのレビュー・感想・評価

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50年代バージニア州、白人男性と黒人女性による異人種間結婚を巡る実話。1967年に異人種間結婚禁止法が違憲とされるまでの、静かな闘いの映画。

主役となる夫婦が、2人とも静かで出しゃばらず、「I love you」なんて口に出さないけどお互い愛し合っている事が伝わって来る。台詞も少なく、見守るような眼差しと優しく手を触れ合うような繊細な芝居の数々。"君と僕"の小さな愛の波紋が、段々と広がりを見せ、やがて国をも変えて行く。それはレンガを一つ一つ積み重ねて行くように地道な闘いだ。美しい風景と誠実な人物描写、2人を包む光の柔らかさにジェフ・ニコルズの優しさを感じる。

当時の司法長官ロバート・"ボビー"・ケネディに手紙を出す事から、この闘いは始まる。現在の司法長官ジェフ・セッションズは、異人種間結婚にずっと反対して来た人物。彼は異人種間結婚も同性婚も違法化したいだろう。今この物語を観るべき理由は明白だ。
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