caramel

ラビング 愛という名前のふたりのcaramelのレビュー・感想・評価

3.2
当たり前のようにそばにいた二人を、人種差別が引き裂こうとする。
法も、周囲からの厳しい扱いにもブレずにお互いを想い、家族になったラビング夫妻、という描き方がとても好きな作品だった。

とくにジョエル・エドガートン演じる夫のリチャードの朴訥さが良い。不器用だけど真面目で優しいリチャード。
ルース・ネッガも、後ろからついていくようで、大事なところは自ら動き出す、芯の強いミルドレッドをかわいらしく演じていて素敵だった。
視線や、ちょっとしたしぐさだったり、何気ないところでお互いを想いあってきたことが、このふたりの演じる夫婦から伝わる。これって、さりげないようで物凄い演技力だと思う。とにかく主演のふたりが素晴らしい。

裁判を起こすことで好奇の目にさらされたり、マスコミや仲間の裏切りなど、ドラマチックに描こうと思えばいくらでも広げられるところを、ばっさり切り捨てて、とにかく夫妻に焦点を絞っているので、物足りないと思う人もいるかもしれないけれど、直接的な暴力シーンや目を逸らしたくなるシーンを避けたことで私のようにストレートなエグさが苦手なひとでも観られる映画になっていて助かります..

題材的にそういった背景はどうしたって匂うわけで、私はこれぐらいのバランスが好み。
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