おどろおどろしい性が渦巻く横溝ホラーと、爽やかなレズビアン映画の融合という感じだが、エンタメ要素も強く、終始楽しんで鑑賞できる。
特にレズビアンの純愛が際立つ第二部が秀逸で『アデル、ブルーは熱い色』や『テルマ&ルイーズ』なんかをしっかり研究してきたな、という感じ。
濡れ場は台詞がコミカルでアートに寄らない代わりに、登場人物たちの野性と好奇心、そして真心が溢れ返っている。とても新鮮な感動と、ときめきを与えてくれた。
何より、撮り手が払う当事者たちへのリスペクトが、きちんと伝わってくるのが素晴らしい。
日本語台詞はイントネーションがいまひとつで、時々何を言っているのかわからない場面も。スタイリングや美粧ももう少し、頑張って欲しかった。
また第3部は冗長。スッキリとまとめてくれたら、もっと良かった。