ハラヒロ

お嬢さんのハラヒロのレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
4.1
タイトルや予告から、単なる淫靡なノリの作品かと思いきや秀逸なサスペンスミステリー映画!

作品は三部構成になっているんだが、この手法が絶妙で伏線を回収しつつ、視聴者のミスリードを解き明かしていく。
最近韓国映画が超マイブームで観まくってるんで、その流れで鑑賞。
こんな傑作映画を今までスルーしてた俺のバカ!バカ!って己を叱りたい/(^o^)\

とにかくお嬢さんとスッキの二人がエロエロなんだが、何とも言えない可愛いさがある。
特にスッキは立ち振舞にどこか田舎臭さがあって、詐欺師のくせに純朴で憎めないw
ラストシーンあたり二人が裸で愛撫し合うシンメトリーの構図が、何とも言えない妖艶さがあって美しい。

春画が本作中ひとつのキーアイテムになるんだけど、春画って雰囲気を作るのにいいアイテムだよね。
単なるやらしさだけじゃなく、何とも言えない背徳感や罪悪感が味わえる。で、どこか滑稽で陰キャ感満載!w

監督は「オールドボーイ」のパク・チャヌクなんだね。
なるほどぉ~。
彼の作品を初めて観たのは「JSA」。何とまあ懐かしいな。何年前だろう…。
で、彼の復讐三部作と言われる作品で最初に「オールドボーイ」でトラウマ気味になって、
残りの「復讐者に憐れみを」「親切なクムジャさん」は観てないw
けど、本作が素晴らしかったので、残りの2作品も観てみようかと思ってる。

パク監督はインタビューで「抑圧と抑圧されている状況の中で戦う女性が魅力的」と語ってる。
ある意味、本作も復讐劇なのかもしれない。
健気で可愛い二人が、エロくも力強く道を切り拓いて行く。
そして秀逸な脚本と演出。
そりゃ面白いわな。
イギリスの原作者サラ・ウォーターズが、脚本を読んだ当初、設定が違いすぎるため(そりゃそうだw)原作を表記するのは認めなかったらしい。
しかし、完成作品を観て出来が良すぎて感動して、原作の表記を承諾したという逸話もあるらしい。※by Wikipedia

どうでもいいことだが、英題は「The Handmaiden」
原題や邦題が「お嬢さん」なのに対して、真逆の「女中」
何でだろうね?少し気になったな。(原作小説は「fingersmith」)
ハラヒロ

ハラヒロ