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セールスマンの39のネタバレレビュー・内容・結末

セールスマン(2016年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

好きな映画ではなかったが、シンプルかつ綿密に練られた脚本が光っていたことは認めざるをえない。

イランという国で、男女の触れ合いがどれほど過敏なことなのかエマッドたちが演じる「セールスマンの死」から外国人でも理解できた。「セールスマンの死」自体を知らなくても、どこが要点なのか、最初に見せてくれるので分かりやすい。

ただ日本人の私はエマッドに感情移入をしてしまったので、犯人探しのどこが悪いんだと、ラナの気持ちが全く分からず少しイライラした。なぜ、第一発見者が「死んでいると思った」というくらい、ひどい暴行を受けたのに犯人を許そうとしたのか…。

「警察は無能だ。頼らなくて正解」と隣人の男性が言っていたように、イランでは告発なんて意味のないことなのかもしれない。私が理解しきれていない独特の社会性のせいなのかな…。

馴染みのない外国映画は頭を使うし、自身の理解力の乏しさを突きつけられてちょっと疲れる。でもとても有意義な鑑賞になるので、こういう映画がもっと配給されることを願います。

映画の中の唯一の癒し、子供のサドラのど近眼眼鏡がとても可愛かった。
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