ボクサーが世界王者戦のプレッシャーと恋人とのプライベートな関係の狭間で葛藤する姿を描いてて、本当の幸せとは何なのかという実存的な話だった。
フェザー級ボクサーのフィンランド人のオリが初の自国開催となる世界王者戦に挑むことになり、出資者から大いなる期待をかけられるが、これがプレッシャーとなって恋した女性への恋慕から練習に集中できなくなる。彼はアマチュア時代に素晴らしい戦績を重ねてきて相当強いことが窺われるんだけど、これだけ期待かけられたら逃げ出したくもなるよね。彼が娯楽場で水浸しになる出し物に出てる女性の舞台裏での悲しみを垣間見るところが印象的。
減量と練習から逃げ出して恋人の下へ駆けつけたオリが、彼女からプロポーズのOKをもらったことでようやく試合に向き合うことができ、そこから地獄のような減量を行うところがすごかったね。試合当日の完璧に仕上がった身体がリアルだった。まあ試合はああいうことになっちゃったけど、全てから解放された彼が穏やかに恋人との生活に入っていく幕切れがタイトルを象徴してて、ほのぼのした。
