Keitan

オリ・マキの人生で最も幸せな日のKeitanのレビュー・感想・評価

3.7
『世界を賭けた主人公のシンプルな結論のお話』

20200923 126
カンヌ映画祭である視点部門グランプリと知って気になっていた作品。全く内容について事前情報無しで観たら、タイトルやジャケットのイメージとは全く違った。

モノクロ映像で淡々と語る、1960年代の世界タイトルに挑むフィンランドボクサーの物語。多分当時、国中注目の画期的な対戦なのに、本人は減量もそこそこに、恋人に夢中になってしまうという展開。

コメディという訳では無いが、周囲と温度感とちぐはぐなオリ・マキの行動で、フンワリした不思議なテンポで物語は進む。クライマックスの世界戦も割とあっさり…。

淡々と進んだ先に主人公が下すのは「世界戦より最愛の人」という結論。その今時な感じのシンプルな選択が世界で讃えられた故の受賞だと納得。
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