彼らが今日「パンクの始祖」なんて呼ばれていることは、何も音楽性の面からだけではないことを掘り下げてくれる。
アートや音楽ビジネスだったり、トレーラーハウスをディスってきた同級生へ中指を立てる思想と姿勢そのものが、バンドの行く先を決定づけて、それに後世がついて行ってるんだなと思う。
ボウイのスタッフ達にシカトされて、自分達だけでレック進めちゃうようなDIYな活動はまさしくパンクの精神だ。
イギーの悪ガキがそのまま歳とったみたいな人間性も好きだ。
アメリカ中がサイケとフラワームーブメントでハッピーハッピーになってた60年代を、「誰も言わなかったけどみんな臭かったよ」って評するの良すぎる。
ドキュメンタリーではあるけど、ジャームッシュなだけあって、バンドのストーリーを追うだけの記録映画とは一味違う。
バンドへの純粋なリスペクトはそのままに、要所で力の抜けたイラストや、他映画の切り抜きが人を喰ったように挿入されるのはまさにといった感じだった。