いよ

ヤコペッティの大残酷のいよのレビュー・感想・評価

ヤコペッティの大残酷(1974年製作の映画)
3.0
ファンタスティック!SFナイトvol.2にて鑑賞(2本目)
今回上映されるということで初めて知った作品
原作はあのカンディードだけど原案くらいの感じで自由な脚色が加えられている
邦題になってる大残酷もなんだかおどろおどろしいけど内容を表してるとは言い難い
全体的にすごくお金のかかったエロチックコントを見せられてる感じ
カンディードとクネゴンド(国生さゆり似)のロマンスシーンに多用されるスローモーションと音楽があまりにもしつこくてベタすぎて胸焼けしてしまう
本当にコッテリ演出で一周まわって逆にアリかなと思えてくる
1度目の再会で6かける4は24でしょう…と恋人の数を説明するクネゴンドとぷるぷる震えながらおうむ返しするカンディードのシーンが妙に好き

初っ端から旧式のブルガリア歩兵が迷彩着た現代の米軍?と戦車に殲滅されて、そこからはなんでもあり
"新大陸"ニューヨークに上陸したあたりからどんどん過激に荒唐無稽になっていく
激しい銃撃戦も信号待ち程度の日常となり無関心に出勤する大人たち
地雷原をケンケンで進む子供たち
戦闘はカリカチュア化されていく

一面の赤いアネモネ畑の中で、半裸のユダヤ軍女兵士とアラブの兵が銃撃戦を始めるぶっとんだ光景は監督のフェチズム全開
そしてまたもスローモーション!仁義なき戦い並みに銃弾を浴び血しぶきを散らせ存分に舞いながら死んでいく

ラストはカンディードが老婆になったクネゴンドを見て
なぜ若さはすぐに去ってしまうのかと呟いた
こんな女のために苦労して生きてきたのかとガッカリしている様子
でも彼女への恋を原動力にでたらめな冒険ができたと思えばそれもまた最善
例え何も残らなくても…

1974年公開ということは作中で惜しげもなくヌードを撮らせていた女優さん達も今頃すっかりおばあちゃんでしょうか
みんな可愛かったので幸せな人生送ってるといいなって思います
いよ

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