Shun

ブンミおじさんの森のShunのレビュー・感想・評価

ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)
4.3
初?タイ映画!
暗い森に光る赤いふたつの目が好きです
神秘的すぎるタイの自然と見たことない映画の雰囲気、考えさせれる死生観が面白かったです!


タイ 東北部の集落
死期が迫っているというブンミのもとに、義妹のジェンとその息子のトンがお見舞いに来る


・暗い森に光る赤い目
こういうの大好きなんです
「もののけ姫」の猩々的なこだま的な
精霊なのか、怪物なのか、神なのか、わからないもの
何かするわけじゃないけど静かにこっち側を見てる感じというか
なんか、独特な怖さと好奇心を掻き立てられるんですよね、、
この映画の赤い目の正体は早々に明かされます
説明聞いてもよくわかりませんが笑

この映画には、"赤い目"を含めいくつかのおかしなものが出てきますが、それらはごく自然に出てきます
自然すぎて驚きます
それらを受け入れる登場人物たち、驚きが止まらず、気づいたら置いてかれてる映画を見てる自分
こんな感覚初めてでした笑

ハリウッド映画や邦画ならもっとそれらの登場や表現を派手にすると思います
でも、それをしない
当たり前みたいに物語が続いて、フィクションとそうじゃないことの境界が曖昧になってくのが凄い不思議な感覚でした

それと、美しくも怖い森
森には神秘が詰まっていて、特にこの映画の森は壮大で神秘的でした
森が持つ神々しさを上手く映像に捉えていたといった印象です
昼は綺麗な森ですが、朝や夜は怖かったり不安を煽るようないろいろな顔を持っているところが見られました
自然ってすごいよなと、映画で久しぶりに実感しました

静かな映画ですが、確かに強い気持ちと力が感じられるような映画でした


・タイのピー信仰
ピー信仰とは、タイのアニミズム(精霊を信仰すること)であり、現在でも根強く残っている信仰らしいです
この映画でも「精霊」というワードが頻出し、映画の内容もピー信仰になぞられていると考えられます
映画の中では異質な気もした王女とナマズの話の意味もなんとなくわかったような

映画と繋がってきていろいろと考察できるのでおすすめです
この映画は、前情報なしで1回見ただけでわかるタイプの映画ではないです
まず、僕はいろいろと考え込める映画が好きなので、いろいろと自分で考えて、いろいろ調べてみます
そうするとタイの知らなかった文化を知ることができ、その上で映画の内容と照らし合わせてさらに考察できるというのも楽しいものです



見たことない映画を見たい人はおすすめです
どんでん返しとかド派手な演出はありませんので注意してください
普段観ない映画をたまに観てみるのもたのしいです
Shun

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