とりあえず、はみ出し者いじめられっ子が徒党を組んでチャリを漕ぐシーンを観るだけで胸がキュンとなる、80年代の映画で育った類の人間(俺だー!)には堪らんです。そこだけで5億点!©︎宇多丸師匠
思っていた以上にオリジナル版に忠実な、且つ今の技術や編集のリズムでしっかりブラシュアップされている理想的なリメイク。
思えば、オリジナルのIT(TVドラマ版。確かレンタルVHSで上下巻だったと思う)を観た時、ちょうど自分は主人公の子供達と同じ位の年頃。ペニーワイズの怖さに震えながら、スティーヴンキングの原作にも興味を持ち、背伸びしてITのハードカバー本を読んだもんです。
内容はほとんど忘れてしまったけれどwしかし、続いてキャリーも読んだし、そこからジャックケッチャムなんかにも手を出したりした訳だから、自分史の中でも重要な作品だったのかも。
今回のリメイクの舞台が1988年という事は、奇しくも主人公達は自分と同世代。こりゃ心穏やかに観れる訳ないんですよ。
ですから「この後」にも大いに期待してます。
(そして、それはアメリカでのヒットの要因でもあるはず。時代設定が絶妙)
ホラーショック描写も、冒頭のあのシーンから、そこまで観せるんだ!?という嬉しい驚き。そこから変幻自在のペニーワイズの如く、手を替え品を替え、観客を油断させないサービス精神。ありがたや。
それでいて、良質なジュブナイルものとしても丁寧な作り。
子供達のキャスティング、非の打ち所がないです。
あ、いじめっ子側だけど「はじまりへの旅」の次男坊も出てます。
劇場は金曜祝日の渋谷という事もあり、若いカップル連れも多く、周囲の反応もこの手のホラー映画を愉しむのにマッチしていて良い感じでした。
今年は良質なホラー映画が多くて嬉しいなぁ。