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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のrumiのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

最後まで楽しめました。そして凄く怖かった。
特にパッケージにもなっている黄色い雨合羽を着た男の子が開幕でピエロに会うシーン。
ピエロが怖い映画だという事は何となくわかっていたが、まさか食うとは!
排水溝というか、地下から出てこれない生き物なのかと思いきやそうでもないらしい。
ピエロの住処に全員で行くまでの対決シーンなどは本当に怖かった。手に汗握りました。

ただ、真相が判明するたびに、しっくり来る感覚がなく、ピエロに関しては最後の最後までよくわからないまま。
ピエロである必要性、何故27年おきなのか、わかったのは恐怖の象徴だという事だけで、原因や目的については一切明確になりませんでした。
でもこれには以下の理由があるでしょう。

イットが絶賛されているのは、個性豊かな少年少女がそれぞれの問題に向き合う過程が上手く描写されているからだと思います。
まるでスタンドバイミーを思わせるような構成で、実はこっちが本編なんでしょうね。
ピエロであるペニーワイズはおまけなんだと思います。

登場人物が非常に多いためそれぞれのエピソードがあって、映画は長丁場でした。
思春期の子どもと、まともではない大人との対立がそれぞれ描かれていて、見応えはあります。

しかし見終わった感想としては、どっちつかずの乱雑な印象、でした。
ピエロの怖さがメインテーマなのか、それとも少年少女の葛藤なのか、グチャグチャなのです。
多分わたしは後者だと思いますが、それにしては題名もイット、イットはピエロのペニーワイズ、開幕からペニーワイズ、映画の目的もペニーワイズの討伐…。
なのにペニーワイズを掘り下げるのではなく、登場した少年少女の実情を掘り下げているのみです。

わたしにとっては、見終わった後にわだかまりが残る構成でした。
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