カントク

全員、片想いのカントクのレビュー・感想・評価

全員、片想い(2016年製作の映画)
4.3
実在のラジオ番組と実在の小説投稿サイト エブリスタがタッグを組んで制作されたオムニバス映画。こちら一本で8作品の片想いが見れます。

私的にハッピーエンドを迎えるラブストーリーよりも、環境だのシチュエーションで葛藤しまくる人間が大好物なので取り寄せレンタル鑑賞。想像以上に当たり作品が出たので特に響いた5本をレビューします。

1本目「MY NICKNAME is BUTATCHI」
伊藤沙莉✖️中川大志
女子高生→男子高生
幼なじみの片想い。伊藤さんのダミ声に味あり、顔芸も凄い。男友達みたいな幼なじみ同士のやりとり、からあげのくだりとか掛け合いがとてもツボにハマった。

2本目「僕のサボテン」
森絵梨佳✖️桜田通
仕事できない男子部下→仕事出来る年上女上司
女性監督作品。
初めは大嫌い、でもふとした瞬間に恋して、仕事が上手く回ってからの唐突な別れ。理解できた。

3本目「サムシングブルー」
広瀬アリス×斎藤工
耳が聞こえない女の子→イケメン美容師
全編環境音なしのバックミュージック進行という斬新なスタイル。ピュアさがまた切なさを加速。わいわいガヤガヤで周りに馴染めない、ポツン感はとても共感できた。

5本目「嘘つきの恋」
新川優愛✖︎志尊淳
彼氏いると嘘つく女子→なんでも誠実男子
相手が友達なら素直、好きという感情が入ると不器用になる女の子。一番来た。こりゃヤバイ。
ラストシーンの感情の高鳴り、涙我慢してウルウルになりながらも感情を押し殺す場面は釣られて涙した。一番驚いたのはこれが2日で撮られた衝撃の事実。


6本目「あさはんのしげ」
清水富美加✖️千葉雄大
気性の荒い、自分が世界の中心系女子→優しいズカズカ系従兄弟。
序盤から険悪なムードで、これを片想いに繋げれるのかと疑問だったが、見事にシフトチェンジ成功!
清水さんの不機嫌顔芸は圧倒、期限というタイムリミット付き。本作も2日で撮ったとは思えない。


ズバリ片想いは極上人間ドラマ。実る事が難しい前提で葛藤する登場人物。人間がリアルに描かれていると、見ている側も感情をアッと言う間に持って行かれる。見る分に関しての片想いは最高ー(^^)
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