JAmmyWAng

ベッドの下のJAmmyWAngのネタバレレビュー・内容・結末

ベッドの下(2014年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

(今更ながら)NATSUである。
(NATSUならば)ホラーである。
(ホラーだから)見たのである。

"reddit"という一種の巨大ソーシャルサイトがあって、色んなトピックに対する掲示板が活発に利用されているんだけど、要するに英語圏における小綺麗な2ちゃんねるのようなものがある。
そこで立てられたスレ"What is the best horror story you can come up with in two sentences(二つの文で思い付く最高に怖い話は?)"に投稿されたコメントが、本作の元ネタになっているワケだけれども、まずはその問題のコメントをご覧頂こう。


I begin tucking him into bed and he tells me, “Daddy check for monsters under my bed.” I look underneath for his amusement and see him, another him, under the bed, staring back at me quivering and whispering, “Daddy there’s somebody on my bed.”

(拙訳)
子供を寝かしつけようとしたら、「お父さん、ベッドの下に怪物がいないか確認して」って言うんだよ。お遊びに付き合ってあげてベッドの下を見てみたら、そこには子供が、もう一人の子供がいて、こっちを見詰め返して震えながら囁くんだよ、「お父さん、僕のベッドに誰かがいるよ」。


お分かり頂けただろうか。
本作"TUCK ME IN"における恐怖の要素も、そのストーリー的な骨格も、既に全部そのままの形で元ネタに存在しているワケである。

それらを映像作品にアダプテーションしたのが本作なんだけど、そこには「ドアのネームプレート」や「ベッドの下からの視線」という純映像的な情報が追加で織り込まれている。
これらがどう機能しているかというと、前者は「この部屋には一人しかいませんよ(e.g.双子じゃないよ)」という前提をオープンにするものであり、後者は単純に「ベッドの下の存在の前振り」だと思われ。つまり元ネタの持つ構造に対して、その設定を強固なものとする為の、映像的なエクスキューズとしてこれらは機能しているんじゃないですかね。まあなんというか、堅実だなーという感じ。

結局のところ、Filminuteにおける"one-minute"というフォーマットと、元ネタにおける"two-sentences"というフォーマットが、なるほどガッチリ噛み合いましたねという事であると思う。時間の制約された映像としての定型に対して、文字としての近似値を持った定型をアダプテーションするという、そのアプローチと題材の選択がお上手でしたねという感じ。

とどの詰まり、これは(現代における?)インスタントなブリコラージュなのだと思って。その行為自体は面白いけど、結果として作品に内包されたものは、優等生的なソツの無さというヤツだったなあと僕は思って。へーって思って。ふーんって思って。思ってそのままようつべの検索バーに、「稲川淳二」と打ち込んでいましたねアタシは。えぇ。
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