ハクソー・リッジという映画について綴る。
本作は実話を映画化したものだ。
つまり本作の主人公であるデズモンド・ドスも実在した人物だ。
僕はこれまで戦争を経験した人は誰もが人を殺めたことがあると思っていた。
けれどその認識は間違いだった。
戦争を後ろ盾に、多くの人間が殺めることを肯定するしかなかった時代に
自らの信念を貫いて、救うためだけに戦地に行くのだから銃は持てません!と明確に意思を示した人物が居たことを本作を観て知った。
拭いきれぬほどの大きな過ちを犯したとしても言い訳なんていくらでもできた時代だった筈なのに、それでも自分を曲げずに貫いた彼を心底尊い人間だと思う。
多くの人間が命を奪い合うことしかできなかった状況で、誰の命も奪うことなく75人の命を救った英雄の物語。
そして彼は作中で敵であったはずの日本兵さえも手当てしている。
大勢の意思は大勢の意思であって、決して全ての意思ではないのだと改めて感じた。
そして大勢の意思の中には不本意も沢山あった筈だ。
これからは平和が続いて欲しいと切に思う。