このレビューはネタバレを含みます
フルメタル・ジャケットも愛と青春の旅立ちも 教官が汚い言葉で罵っているのを不快に感じる人も多いと思うし自分もそうだった。
だけどアレは軍人の心を守るためのメソッドのひとつだと何かの本に書かれているのを読んで妙に納得した事がある。
人を殺したことのない人が
純粋なままの むきだしの心で戦争に行ってしまうと心が壊れてしまうからなんだとか(そんな事しても現在もPTSD続出中だけど)
サリンジャーの場合も
もちろん心は壊れてしまう。
なんといってもノルマンディー上陸作戦に参加しているのだから。
(たださえ恋人をチャップリンに奪われたっていうのに!)
その彼を戦場の中ギリギリのところで繋ぎ止めていたのが 頭の中で想像し続けたホールデン・コールフィールド君の物語だったのが泣ける。
はじめは出版されることを目的に物語を書いていたサリンジャーが 自分の魂を救うためだけに書くようになっていく後半も悲しい。
この映画の後で
「バナナフィッシュにうってつけの日」
を読み直して
少女と同じ視線で語り 海で過ごすシーモアと ホテルのエレベーターの中のシーモア・グラース(見て もっと 鏡を)はまさにサリンジャー自身の心の反射だと思った。
何だか最近不穏な世界だけど
戦争はダメよ、ダメダメ。
国や家族を守るためなら人殺しはOKってそんなルールってアリ?
僕は夢想家じゃないけど
軍事費をコロナの対策にあてればいいんじゃないかなー
世界中がさ
だけど戦争がなければ
キャッチャーインザライも生まれなかったのかと思うと複雑。
結局みんなインチキなんだよ。
やれやれ