ikarush

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーのikarushのレビュー・感想・評価

3.8
20世紀のアメリカを代表する小説の1つとしても名高い「ライ麦畑でつかまえて」の作者、J・D・サリンジャーの伝記を映画化したもの。
そんな大変有名な小説ではあるけれど正直まだ1度も読んだことはなく、「The Catcher in the Rye」や小説の中の主人公であるホールデンと、作者サリンジャー氏のつながりの部分は分からず。

才能を認められながらも、商業的な編集や物書きとして食べていく事へのこだわり。
さらに太平洋戦争の出兵とPTSDに悩まされて、小説家としての人生や家庭が崩壊していく様子は、孤高の天才であるが故の哀しみと言えなくもないと感じた。

誰しもがスターダムにのし上がり脚光を浴びたいという理想を描きながら、「自分の声を言語化するためだけに書く」という理想を体現しようとする晩年までの姿は、現在のテクノロジーやWeb環境があれば簡単に叶えることが出来ただろうになぁとも感じた。
ikarush

ikarush