あーびん

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーのあーびんのレビュー・感想・評価

3.9
J.D.サリンジャーといえば青春小説『ライ麦畑でつかまえて』のイメージだけど、この映画で彼のパーソナリティを知った後では今まで読んだ作品の印象がガラリと変わりそう。

生意気で傲慢な作家の卵だったのが一転し、従軍で心に傷を負いプライバシーを乱されることを嫌い、人間不信ぎみでかなり複雑なサリンジャーの内面を繊細な表情でニコラス・ホルトが好演しています。

情熱的な恩師であり愛情深い父親のような存在となるウィットを演じるケヴィン・スペイシーがすごくよかった。

寡作な印象があったけど『ナイン・ストーリーズ』(1953)以降もずっと未発表小説を書いていたみたいですね。
読んでみたいけど本作のあの感じだと死後に勝手に出版したらあの世でサリンジャーは激怒しそうな感じがする😂

「君に生涯を賭して物語を語る意志はあるか。何も見返りが得られなくても」


【捕捉】
2010年にサリンジャーは亡くなったが、自分の死後に作品を発表するよう遺言を残していたそう。
そのうち日本でも出版されるのかな?
あーびん

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