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レニー・クック(原題)のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

レニー・クック(原題)(2013年製作の映画)
3.0
【プロになれなかった者から観る部活一筋の危うさ】
『アンカット・ダイヤモンド』でようやく幅広く映画ファンにサフディ兄弟の面白さが伝わりつつある今この頃。サフディ兄弟がバスケットボール選手へ興味を持つきっかけとなった作品『レニー・クック』を観た。

日本でもしばしば部活問題が議論される。甲子園に行くような強豪校では、学業よりも試合が優先される。その結果、生徒は全く勉強する時間が確保できなくなる。それでプロ野球選手になれればいいが、そこから落ちこぼれたら潰しがきかない。その問題はアメリカにもあった。

レニー・クックは2001年、将来有望なバスケ少年として注目され、NBA内定を目指してトレーニング、試合に明け暮れていた。年間の試合数は80を超え、到底学業をする余裕すらなかった。そして周囲の大人の期待というプレッシャーの中、プロ街道を突き進んでいったのだが、結局彼はNBAからの内定を得ることはできず最終的にバスケットボールを辞めてしまうのだ。

多くのドキュメンタリーやテレビは、成功者に注目する。しかし、その下には何人もの敗者がいるのだ。その骸をサフディ兄弟は捉えていった。サフディ兄弟は、常に社会から外れた者の内面に迫っているがそれはドキュメンタリーでも変わることはなかった。
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