Nabkov

ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープルのNabkovのレビュー・感想・評価

4.5
シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイアに続き、タイカ・ワティティ監督作品二作目。シェアハウスの時は感じなかったのだが、この作品はウェス・アンダーソンの影響を強く感じる。だけどその手法を自分の中に取り込んで、タイカ・ワティティの色に染め上げる。荒削りだけど、根本的に"ヒト"を慈しむ、愛のある絵作り。そこまで観て、むしろエドガー・ライトに近い人なのかもしれない。ウェス・アンダーソンは究極的に考えると、人への愛情はそこまでなく、コマの様に感じる事が、特に近年強い。

リッキー役の子役が半年近く山にこもっているにもかかわらず、全くもって痩せないし、フィジカルな成長が見られないおとぎ話感が、妙におかしい。なんならヘクターはどんどんボロボロになっていく。ちょっとしたコメディ要素でもあるのだが、その部分にヘクターのリッキーへの愛情の深さが現れている様な気がする。

このタイトルとジャケットだと手に取る人を極端に選びそうな気がしてならないが…シェアハウスと併せて、ソー3作目で陽の目を見るのを期待したい。こんな監督にソーを撮らせるって、マーヴェルは一体どうなってるんだよ、と思う。前述のエドガー・ライト監督のアントマンは残念ながら実現しなかったが、ソーには大変大変期待しております。
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