キャプまる

鋼の錬金術師のキャプまるのレビュー・感想・評価

鋼の錬金術師(2017年製作の映画)
2.8
7年ぶりの原作者描き下ろし漫画がもらえるということで公開日に鑑賞。
映画の内容は、テンポは悪く原作のシーンを切って繋いだようなストーリーなのに中途半端に原作通りにやろうとして継ぎ接ぎな展開になってしまっている印象。原作のキャラの性格を反映しきれておらず、映画オリジナル展開でのキャラの行動が、原作のキャラではとらないような行動をとらせているので、原作ファンからすれば納得できない。特に終盤の人間である主人公たちに対して背中を向けるエンヴィーの行動が酷すぎる。
演出面では、エドが手合わせ錬成するシーンが、実写で違和感がでないようにとはいえ地味な演出になっていて、いまいち手合わせ錬成のかっこよさや特別感が出ていない。さらに終盤のホムンクルスと軍が主人公たちと対峙する場面も緊張感がなく、その後のグラトニーのあの状態もおもちゃをつけているようだし、動きもギャグシーンかと思うぐらい滑稽でショボい演出で笑うしかない。
映画オリジナルストーリーのためとはいえ、ホムンクルスが核の賢者の石を使い切る前に死ぬなど大事な設定が雑になっていて、原作が持っている世界観を台無しにしてしまっている。
原作のことを考えずに1つの映画としてみても、滑稽でショボい演出が散見され主人公の演技もなかなか酷く良い出来とは言えない。原作を知らない人が原作に興味を持つきっかけにはなると思うので、よほど時間を持て余すぐらい暇な原作を知らない人には辛うじてお勧めできる映画。唯一褒められるのはアルフォンスのVFXぐらい。
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