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マイ・ビューティフル・ランドレットのNのレビュー・感想・評価

4.0
本邦未公開『殺し屋たちの挽歌』に続くスティーブン•フリアーズの2作目。サウンドの入り方や、独特な長回しなど、どことなく香港ノワールの香りを漂わせている本作品だが、それもそのはず、1985年にイギリスで作成された作品である。そう言った意味では、本作品を含むこの時代のイギリス映画と『男たちの挽歌』をはじめとする香港映画に、ある種の相互作用があったと言って差し支えないだろう。ゲイで移民であるパキスタン人少年のビジネスでの下剋上を描く本作品はマイノリティでありながらもどこか飄々とした主人公のキャラクターのおかげで映画全体が深刻になりすぎず、ストーリー全体が淡々と進行していく感じに心地良さを覚える。うにょーんと登場する不良達やプクプクと泡を吐く洗濯機などコミカルな描写はどこかアメコミを彷彿とさせ、映画全体をマイルドにしてくれる。それにしてもダニエル・デイ=ルイスの美少年具合を目視できるというだけでも価値のある作品では。
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