浅野公喜

狙撃者の浅野公喜のレビュー・感想・評価

狙撃者(1952年製作の映画)
3.6
女性嫌悪の男が次々と女性達を射殺していくフィルムノワール。監督は「十字砲火」のエドワード・ドミトリク。

50年代の作品で既に女性嫌悪=ミソジニーorインセルを描いているのがまず驚き。男とそれを追う警察側両方が描かれてはいるものの、男がどうしてそうなってしまったのかはそこまで詳しく描かれていないのですが遊園地のボールを的に当てて女性を落とすアトラクションで何度も女性を落としては挙句の果てに直接ボールを女性に当てようとして周囲からドン引きされる狂気を見せたり彼に気付いた煙突掃除人を撃ち、引きのまま下へズルズルと下がっていく様子を撮ったり、前科有りの男達を集め彼らをからかいながら尋問したりと印象的なシーンはそこそこ有り。

テレビに出てる著名な女性が家の住所を公言し案の定狙われてしまうというプライバシーの緩さにも驚きで、雑誌に芸能人の住所・電話番号が掲載されていた昭和の時代同様今では考えられないですね。現代との違いが新鮮な作品です。
浅野公喜

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