Iri17

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーのIri17のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

一本の映画としては非常に面白い。町山さんの言うように正統的なフィルムノワールであり、西部劇であり、スターウォーズの世界にマカロニウェスタンの要素を実に上手く溶け込ませた新境地。

でもこの映画は根本的に間違っている。最近話題になった某大学の学長の言葉を借りるなら「そもそもハン・ソロはヒーローなんですか?」ってことだ。ヒーローが誕生する瞬間を目撃せよ!みたいな宣伝文句は根本的にハン・ソロを理解できていないと言わざるを得ない。
ハン・ソロはアウトローなのだ。金にだらしない、自分の為なら平気で人を裏切り、女たらし、それがハン・ソロだったはずだ。
なんなんだこのいい奴⁉︎心の奥底にヒューマニズムが流れていても、表面的な行動は利己的でなければならない。女を助けるために自分を犠牲にする、父親のような男を乗り越えていく、こういうのは違う!
今回最もハン・ソロだったのはウッディ・ハレルソンの方だ。彼こそ徹頭徹尾ハン・ソロだった。騙し、裏切り、誰の側にもつかない、それでいて、仲間の死を悲しみ、自分を乗り越えていくハン・ソロを満足そうに見つめ逝く。
ハン・ソロ!お前はハン・ソロじゃない!

スターウォーズじゃなかったら、いやハン・ソロじゃなかったらもっと楽しめた。あと、悪党のボスがポール・ベタニーってショボすぎるよ!
フィル・ロード&クリス・ミラー版も観たかった!
Iri17

Iri17