Jeffrey

アルジェの戦いのJeffreyのレビュー・感想・評価

アルジェの戦い(1966年製作の映画)
4.5
「アルジェの戦い」‬
‪冒頭、1954年北アフリカアルジェリア。涙を流し抵抗する男。モリコーネの音楽が緊迫感を与える次の描写。階段を上がる複数の兵士、銃撃、有刺鉄線、手を挙げ逃げ回る民、白い刑務所…本作はG. ポンテコルヴォ監督が66年度の金獅子賞を受賞した傑作政治闘争映画で仏側がキレて会場から退‬席した逸話がある作品で物語は賭博で捕まったアラブ人青年が断頭処刑される同胞を目にし、民族意識に勢力を注ぎ始めテロを起こす。そしてテロ実行犯を追い詰める中佐の作戦が開始する。子供への大人のリンチやテロと言う行動で同胞を覚醒させ蜂起するこの凄じく強烈なストや爆撃の描写は脳裏に焼きつく‬し、ラスト不気味な叫び声が鳴り響く中での大暴動のインパクトは凄絶で戦車、8万人の住民が画面を埋め尽くす光景は異様で、途中から祭の如く手に布(国旗?)を持ち高らかに挙げる女性、手をグーにし頭上に挙げる男達の描写は凄い…にしてもドキュメンタリーを見てるかの様な光景に一切の記録映像を使わ‬ずに当時のカオス状況をここまで再現したのは正直ビビる。女性テロリストや拷問を受ける運動家等、8年間に渡るアルジェリア戦争と混沌が映し出される支配側と弾圧側が生み出す非常な復讐…言葉を失う衝撃が本作にはある。無論、反仏の内容だから仏以外の国では評価されたが唯一、トリュフォーだけが席を‬立たずに鑑賞したとの話を聞くと彼の感想を聞きたいもんだ。兎にも角にもエネルギーに満ちた本作の点描や迫真の演技、隠し撮り的な撮影は映像の世紀を見たかの如く…言葉通り何もかもがずば抜けて凄い映画で、衰退しっぱなしの映画界の今日に本作みたいな意欲に満ち我々を脱帽させる商魂を期待したい。‬
これは間違い無くテロそのものを描いている。原理主義や宗教を絡め都市部を標的に同時爆発テロを起こし国を解放へと導かせ従順に生きてきた人が敵を攻める目覚めの可能性を発揮させたりこの映画は1つの歴史的な例を挙げた作品で独立国家になるまでのアルジェリアを描いた大作だ!
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