アルジェの戦いの作品情報・感想・評価

「アルジェの戦い」に投稿された感想・評価

shingo

shingoの感想・評価

4.5
あまりに凄すぎた。アルジェリアの首都アルジェのカスバで撮影され、実際に現地の住民も参加しているという壮絶な群像劇。

アルジェリアが独立するまでの闘争の日々をドキュメンタリーとフィクションの境を越えたリアリティ溢れる臨場感で撮った映像にはただ圧倒される。40〜50年代のイタリアのネオレアリズモの精神を引き継ぎ、それをより高い次元に昇華したような生々しさ。銃撃や爆破テロの音の前にはエンニオ・モリコーネの感傷的な楽曲が不釣り合いにすら思える。

当時は反仏映画と批判されたらしいが全ての優れた映画がそうであるように本作は双方の立場の視点から捉えた両義的な作品である。アルジェリアの残虐な行為やフランスの報復。そこから繰り返されるテロ。2013年のアルジェリア人質事件。2015年のパリ同時多発テロ事件。負の連鎖は現代でも止まることはない。

10年以上前に観た時それほど印象には残って無かった本作を見直したのはテロがより身近に感じるようになったからだろうか。もしかしたら「15時17分、パリ行き」の影響もあるかも知れない。切っ掛けは何でもいい。現代こそ観るべき作品。
たうら

たうらの感想・評価

4.4
戦争映画系では俺が今まで観たものの中でトップクラス。
ここまで良いテンポでわかりやすく、それでいて情報材としてではなく感情を揺さぶる「映画」として描かれる見事な作品はなかなかない…。
2019年207本目

笑っちゃうほどリアル!
この世から暴力がなくなり、世界中の人が差別を無くしますように。
NHKの理不尽な搾取が無くなりますように。
僕は「アルジェの戦い」程素晴らしい戦争映画に出会った事がありません。個人的には「アルジェの戦い」が数ある戦争映画の中での真の傑作だと思います。「プライベート・ライアン」や「ディア・ハンター」といった有名な戦争映画も僕は大好きですが、それ以上に「アルジェの戦い」が好きです。

当たり前ですが、そもそも映画が”現実そのもの”という物を描くことは不可能です。けどその中でも出来る限り”現実そのもの”に近づいて、その近づいた事によって映し出された物を”虚構”とマッチさせる事は大いなる成功と言えます。その一番の例が僕は「アルジェの戦い」だと思います。

この映画を知らない人に「この映画はフィクションだ。」と言って観せたとしても、又は「この映画はドキュメンタリーだ。」と言って観せたとしても、多分どちらでも納得してもらえる事でしょう。もちろん本当の正解と言うのは「この映画はフィクションとドキュメンタリーを見事に掛け合わせた作品だ。」という説明でしょうが。

”傑作戦争映画”という事実だけでも大きな存在価値がありますが、僕はそれ以上に↑これらの要素を全て尊敬しています。こんな素晴らしい映画に出会える事はそう無いであろう、と僕は思いました。
tori

toriの感想・評価

4.2
なかなか借りれなかった映画
人混みを狙った爆弾テロ、拷問などなどドキュメンタリーと見まがうリアリティ

遠い国の遠い昔の聞いたこともない戦争の話だが
武力による植民地化にはレジスタンスの抵抗がつきもの
この戦争をめぐり三色旗の国としてあるまじき色々な物議がかもされた
最近だと独立から60年近く経った昨年マクロン大統領が関係者に謝罪している

戦後についてウィキペディアより以下抜粋
「フランス政府は忘却政策を行いアルジェリア戦争に関する報道を規制して過去の汚点として忘れ去ろうとした。 しかし、1990年代に入ると記憶の義務運動が起こり、アルジェリア戦争の記録がマスメディアで報道されるようになった。 拷問やテロなど非人道的な問題が頻繁に取り上げられた。2005年2月には「フランスの植民地支配を肯定する法律」を成立させアルジェリアの支配を正当化しようとしたが、猛反発を招き一年後には廃止されている。
2001年には、当時のフランス軍の指揮官の一人が回顧録を出版、捕虜の即決処刑や、解放戦線シンパと疑われた市民や活動家への拷問や殺害が頻繁であった、自らが指揮した当時の生々しい対テロリズム作戦の実情を暴露した。その執筆姿勢はそれらの行為を反省するものではなく、軍人による任務の実行として肯定するものであったため、フランス政府により、かつて受章した勲章を剥奪されている。
2014年、フランス人ジャーナリストが戦争中、独立運動家がフランス軍の拷問により殺害されていたこと、それはフランス軍の命令であったことを認めた書籍を出版。2018年、マクロン大統領は殺害された独立運動家の妻に謝罪するとともに、戦争中に失踪したフランスとアルジェリアの民間人、兵士に関する資料を公開する意向を示した」
同作品のオフィシャルサイトによると、ジッロ・ポンテコルヴォ監督は、ユダヤ人として第二次世界大戦中レジスタンス運動のリーダーとして活躍し、また元ジャーナリストでもある異色の経歴の持ち主であることが紹介されている。
まさにその経歴がリアルなドキュメンタリー・タッチで、戦争の真の実像を粛々と描いているところに反映されていた。
しかしながら、同作品を観て改めて強く思ったのは「報復が新たな報復を生む」と言う負の連鎖を歴史上で何度も繰り返されてきたことを知りながらも、いつまで経ってもその教訓を生かせていない点に、人間の愚かさと悲しさ、寂しさを覚えさせられる。
そう言った観点から考えても、戦争をテーマにした作品は数多くあるが、この作品は観なくてはならない重要な作品であり、レビューで高い評価を受けているのも頷けた。
犬

犬の感想・評価

4.0
ゼネスト

1954年から62年にかけてフランスの支配下にあったアルジェリアで起こった独立戦争を描いた戦争映画の名作

爆弾

リアルをとことん追求

悲惨
心打たれます

見応えあり
人々の表情が見事でした

白黒の映像

街中の様子が何とも

音楽も印象的でした
tonemuff

tonemuffの感想・評価

4.0
究極のネオレアリズモ。
アルジェリアの民衆の怒号はルーリードのメタルマシーンミュージックを想起させるエグさ。
柴猫

柴猫の感想・評価

4.2
フランスの植民地支配下にあったアルジェリアの様子や、人民解放軍による独立戦争をドキュメンタリータッチで描く。
公開当時は強烈な反植民地映画として評価されたが、文脈は違えどテロが身近となった現代から見ると抵抗組織のテロルに恐怖を感じることもある。
観た人の反応も千差万別。時に恐ろしくなる意見もあるが、時代が変わり見方が変わっても、新たな議論が生まれる。これこそが戦争映画のあり方なのかもしれない。
そしてこれもまた映画の役割なんだと実感できる。フランスのテロを日常に感じる現代だからこそ見て欲しい、まさに戦争映画の金字塔。

これが50年前の作品だと言うことが驚きだし凄まじい。レジスタンスや参政権獲得の過程はテロルの歴史でもあって、今の映画ではテロへの含みを持って描かれることもある。
だけど50年も昔、しかも独立直後の雰囲気の中でこれだけの視野を持てていた人は殆どいなかったはず。監督本人が反ナチのレジスタンスであったためか、同じレジスタンスであった軍側の中佐の主張も整然と語られているし、この監督の意図が本当に気になる。

この映画は当時ベネチア映画祭で上映された際に、トリュフォー以外のフランス人が途中退席するほどの反仏映画と見なされたらしい。だけど今見ると両者の姿がきちんと描かれているし、むしろ無差別テロに怯える現代人からすると、テロへの恐怖すら感じる。
これは悪の立ち位置が入れ替わったわけではなく、正義や悪といった概念自体がかなり曖昧で、絶対的ではないことを歴史的な事実として示してくれる。
公開当時と現代の反応を比較すると時代の変化を如実に感じられて色々な発見がある。今撮られてる映画も、半世紀先にはまた違った評価を得るんだろうなと恐くもあるが楽しみにもなった。

反ナチのレジスタンスとして闘った中佐や、強制収容所を生き延びた人間が、今度はフランス兵としてアルジェリアの独立派を弾圧する。それに呼応して加熱する街中でのテロ。
50年前の独立直後の中で両者をありのまま描き、ノーランやキュアロンを始め多くの監督がそのリアリティに影響を受けたと語る。ノーランの『ダンケルク』やキュアロンの『ローマ』も、最初は意図が見えづらくて困惑したんだけど、こうした映画に影響を受けていたのかと改めて見返したい。
ENDO

ENDOの感想・評価

4.0
淡々と描かれるテロ。反乱組織は徐々に叩き潰される。それを嚆矢に蜂起する市民達。100年以上に及ぶ抑圧はフランスの黒歴史。あまりに人が死にすぎるし、その暴力の連鎖は観ていて辛い。どんな大義名分があれ殺すのも殺されるのも嫌である。時には立ち向かわねばならぬのか。人間の暴力性に涙が出る。
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