実らなかった40年前の初恋に未練たらたらのおっさんの悪あがきに心が痛む作品。
主人公のトニーは、老後に中古カメラの店を細々と経営するバツイチのおっさん。この人は、女性からみれば、やっかいな人だろうなあ。
初恋をずっと引きずるナルシストで、自分勝手な人だけど、トニーにはちょっと同情してしまう。
過去との向き合い方で知らない内に人を傷つけたことは、長く生きてると、思い当たるふしがあるからだ。
そんな人には胸を締め付けられる苦味がある。
ただ、そこまで考えが至るには、物語を真剣に追わないとよくわからない部分がある。インターネットで考察を読んで合点がいったけど、
音楽的目線で、トニーは、40年くらい前のボブ・ジェイムスかと思った。音楽は、マックス・リヒター。ヒプノティックで静かな音もいい。
そして、シャーロット・ランプリングの感情を押さえた圧巻の演技に言葉が出ません。😖