カイ

手紙は憶えているのカイのネタバレレビュー・内容・結末

手紙は憶えている(2015年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

原題は"Remember"。認知症を患った老人セヴが友人から渡された手紙を頼りに4人のナチを殺しに向かうロードムービー。一人目は場所違い、二人目は捕虜、三人目は料理人、そして四人目へ。ラストには予想は出来たもののやはり驚かされた。今まで偽りで塗り固めた人生を送ってきた彼が同じ境遇の仇敵に出会い、自らの罪にようやく向き合うという皮肉。人間の脆さ、弱さに胸が苦しくなる。自ら捨てた筈の過去も、誰かは必ず覚えている。封印しても逃げる事は出来ない。拭えない過去が人を殺す。このラストは確かに正しい。やったことの報いを受けさせる。しかしその先に待つのは無情の世界。満足で終わらすことの出来ない空虚な世界。
カイ

カイ