手紙は憶えているのネタバレレビュー・内容・結末

手紙は憶えている2015年製作の映画)

Remember

上映日:2016年10月28日

製作国:

上映時間:94分

3.8

あらすじ

最愛の妻ルースが死んだ。だが、90歳のゼヴはそれすら覚えていられない程もの忘れがひどくなった。ある日彼は友人のマックスから1通の手紙を託される。「覚えているか?ルース亡き後、誓ったことを。君が忘れても大丈夫なように、全てを手紙に書いた。その約束を果たしてほしい―」2人はアウシュヴィッツ収容所の生存者で、大切な家族をナチスの兵士に殺されていた。そしてその兵士は身分を偽り、今も生きているという。犯人…

最愛の妻ルースが死んだ。だが、90歳のゼヴはそれすら覚えていられない程もの忘れがひどくなった。ある日彼は友人のマックスから1通の手紙を託される。「覚えているか?ルース亡き後、誓ったことを。君が忘れても大丈夫なように、全てを手紙に書いた。その約束を果たしてほしい―」2人はアウシュヴィッツ収容所の生存者で、大切な家族をナチスの兵士に殺されていた。そしてその兵士は身分を偽り、今も生きているという。犯人の名は“ルディ・コランダー”。容疑者は4名まで絞り込まれていた。体が不自由なマックスに代わり、ゼヴはたった1人での復讐を決意し、託された手紙とかすかな記憶だけを頼りに旅立つ。だが、彼を待ち受けていたのは人生を覆すほどの衝撃の真実だった―

「手紙は憶えている」に投稿されたネタバレ・内容・結末

感の鋭い人は途中で気付くでしょう。こう言ってる時点でネタバレですね。メメントを思い出しました。
事前にストーリーやキャッチコピーを見なくてよかった
綺麗に騙されすぎて完全にバラされるまで全く気づかなかった
派手さはなくても映画は楽しめる
おじいちゃんのドキドキロードムービーかと思ったら!真実が分かった瞬間の衝撃といったら。
認知症の表現がリアルで、目覚める度に亡くなった奥さんの名前を呼んで探したりしてて切なくて、こっちの感情をぐーっと引き込んでおいてそのラストとは!
マックス、ものすごい策士。
90歳になるゼヴは車イスの友人マックスから、70年前に家族を殺した犯人を殺すための一通の手紙を渡される―


ほうほうほう、なるほどね、そういうことね。

(記憶喪失×復讐×ロードムービー)×?

中盤に気になっていた手紙の全容を少女に朗読させてゼヴに感情移入させといてのラストのどんでん返しが落差効いてる。更にマックスがトドメの伏線回収ですべてが繋がる気持ちよさ。

戦争もの特にナチス関連の映画もたくさんあるが、見るたびにどれも違う視点で描かれており、この作品もまた違う角度で楽しめた。

認知症の恐さも十分伝わった、少し寝たらすべて忘れてるなんて考えるだけで絶望感に襲われる。年を取ることはそれらも受け入れなければならないのか。

ナチ信奉者のポリスの差別的な言動がステレオタイプすぎておとぎ話のキャラクターのよう。

おじいちゃんによる暗殺ロードムービーの部分は誰かが言ってた「ゆきゆきて進軍」チックで、コント的な面白さがあった。

ゼヴが生前最後に発した「覚えてる」が意味深すぎる。何を、どこまで?教えてよー。

この立場を日本に置き換えたら、相手は中国人あたりかな。

フィルマークスの点数が高いから、見ながら「これはひねりがあるな」と思ってしまったので、先に評価が見れちゃう弊害が出たな。
忘れながら探すっていうのでメメントを思い出したらオチが読めてしまった…
個人的にはラストが納得出来ない作品。

認知症を患い記憶を保持出来なくなった老人ゼヴが、協力者である友人がしたためた手紙だけを頼りに過去の復讐を果たそうとする物語。

まずこのアイディアが素晴らしく、かつてない映画体験を味わう事が出来た。
記憶を維持出来ないことによるサスペンス自体はクリストファー・ノーラン監督の「メメント」などでも描かれているが、復讐計画を実行するのが90歳を過ぎた老人であるということが独特の緊張感や無常感を与えている。
復讐を企てるゼヴに対して皆が無警戒で接してくる描写などはサスペンスとしては非常に新鮮。
人生の最晩年、このような事に手を染めなければならない言いようのない寂寥感。眠りから覚める度に妻を亡くした事を忘れ、その事実を繰り返し手紙で知らされる彼の表情が切ない。

抑制の効いた演出、クリストファー・プラマ―をはじめとした老役者たちの佇まい、彼らの醸し出すバックボーンを想像せずにはいられない年輪を重ねたその表情は、語り過ぎない脚本とも相まって非常に味わい深い。

それだけにラストのどんでん返しはいかがなものか?
ゼヴを突き動かしていたのは家族を奪われたことによる怒りと悲しみ。
数十年の時を経ても、結婚し子や孫が出来たとしても、決して癒されることのない喪失感が彼の原動力なのだと感じていた。そのすべてが覆ってしまった。
彼は奪った側の人間であり、例え別人に成りすまし、罪の意識からその記憶を封印していたんだとしても、認知症でそこがすっぽりと抜け落ちて、まるで反転したかのように逆の立場の人間だと思い込むなんてことあるのかな?
マックスの言によってそう吹き込まれていたんだとしても、あそこまでの行動に至らしめるものなのか?
あまつさえ彼は2人目の容疑者の下を訪れた際に、彼が収容されていた側の人間だと知るや、シンパシーを感じ、銃を向けた事を泣いて詫びたのだ。この感情は一体どこから来たのか?

なるほど確かに観かえしてみるとそれらしい伏線は所々に張ってあると思う。ホテルでアクアウォール(ガラス壁に水が流れているインテリア・オブジェ)の前に立ち、水でぼやけた自分の姿を見て思わず手を伸ばすシーンなどは見事な暗喩表現だと思うけれども…。

筋書き上の辻褄はともかく、感情の辻褄という部分でいまいち納得が出来ないラストだと思った。


人間を描いたドラマとして印象的で味わい深いと感じた演出が多く、ゼヴがピアノを弾く後ろの階段から男が降りてくるシーン、目覚めた病室に居合わせた女の子に手紙を読んでもらうシーンなどとても良かった。
中でも3人目の容疑者の息子。警察官で地方の孤独で冴えない中年男性の侘しさを漂わせつつも、人懐こく、訪ねてきた人間に酒を振る舞い久しくなかった他者とのコミュニケーションを心から喜んでいた彼が、豹変し、ナチ信奉者であった父親の影響と思われる獰猛な差別意識をむき出しにする場面はとても恐ろしく、吠えまくる大型犬、家の近くにある軍事演習施設?か何かの轟音が鳴り響くといった不穏な演出も良かった。


アトム・エゴヤン監督の他の作品を観たことがなかったのでとりあえず本作についてはこのような時評となった。彼の表現やテーマなどもっとよく理解出来ればまた見えるものがあるかもしれない。
少なくともそういう興味をひかれる監督だとは思った。
主人公はサウンド・オブ・ミュージックのトラップ大佐を演じたクリストファープラマー。
当時も反ナチス派を演じていたので、本人の実話を観ているような錯覚に陥る。
老人ホームで出会った男性から手紙を渡され、それを手に人を探す旅に出る。
何となしに見始めたらものすごいしんどい話だった…。結局全部マックスが考えたことなのかなあ…でも「覚えてる」って言うことは…うーーーーーーんどっちにしても苦しい。でも観てよかった
すばらしかった。原題は「覚えている、思い出す」という意味であると同時に「思い出せ」ということでもあるのか。ワグナーが出てきたときえっと思ったけど、なるほどと思った。メンデルスゾーンとワグナーの対比。
しかしマーティン・ランドーはもうこの世にいないのか⋯
保安官を撃ったシーンに感じた違和感がラストで解消されるという…体が銃の扱いを覚えてたんだ…。

主演のおじいちゃんの演技が素晴らしかった、ピアノも。

悲しい話だけど、面白い展開、いい映画。
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