ぽち

史上最強スパイMr.タチマワリ! 爆笑世界珍道中のぽちのレビュー・感想・評価

1.1
狙いどころは「裸のガンを持つ男」「オースティン・パワーズ」「ピンク・パンサー」あたりだというのは分かるのだが、決定的にセンスが無く、正直どこで笑っていいのか分からない作品。

変にストーリーを作ろうとしていたり、アクションで誤魔化そうとしていて、全部中途半端。

またキャラが全く魅力が無い。
クルーゾー警部やドレビンほどのキャラは求めないが、せめて感情移入が出来る程度にはしてほしかった。

この内容でギャグのキレが悪すぎる。
いっそ「裸のガンを持つ男」ぐらいギャグ命でストーリーなど放棄してはじけたほうが何倍も楽しめる。

演出が力技で笑わそうとしてくるのがイタイ。
まるで売れない芸人がステージで滑りまくり、どんどん力が入ってしまい、見ていて辛いというのとほとんど同じ。

唯一笑えたのはプロペラに絡まった髪のシーンぐらいだろう。あのテンションですべて行けばもう少しましになったかも。

また、韓国物で特有の糞尿ネタに近い「汚いギャグ」が今作でも・・・
あのよだれと鼻水のシーンは気持ち悪くなり目を背けてしまった。
世界に向けた作品ではないので国内でうければいいのだろうが、こういう所にお国柄が出るのだろう。

「大爆笑コメディ」などという釣り文句に騙され、後悔するタイプの作品なので、見ないほうがいいだろう。



余談。
「泣かせるより笑わせる方が難しい」と言われるように「笑い」はかなり高度な技術とセンスが要求される。

そう考えるとやっぱりチャップリンやキートンは天才だったのだろうなぁ~。

無声映画だから動きですべてを表さなければいけなかったという事を差し引ても、普遍的な「笑い」を表現できているのは確かで、それもストーリーもきちんと押さえているというすごさ。

時代は変わり笑いの質も変わっているのだろうが、それでも今でも通用するって事は、どれだけ偉大なクリエーターだったか想像できる。
ぽち

ぽち