ヴぇる

親愛なるきみへのヴぇるのレビュー・感想・評価

親愛なるきみへ(2010年製作の映画)
3.4
軍に属する男と夢を追いかける女性との時間について考えさせられるラブストーリーで、遠距離恋愛やコロナ禍において合うことが出来ない現状では刺さる人が多いであろう作品だ。

大まかな印象としては、王道のロマンティックラブストーリーである。出会いから2人で恋に落ちていく描写はさすがの一言で彼らの心情もあっという間に感じ取ることができるようになるので入り込むことは容易だ。
また、手紙での演出や独白に似た語りは非常に美しい。ただ、恋愛模様に関しての一つ一つはインパクトに欠けるのも事実で、テイタムとアマンダだからこそ見続けられるのだろうとも感じた。

9.11以降の除隊か延長か察することも出来ないテーマであり非常に興味深い内容ではあったが、恋愛映画としての選択としては悪くない脚本であったといえる。

個人的にお気に入りなのが、2年間の延長か彼女を選ぶかで本音を喋り彼女もそれを泣きながら受け止めるシーンだ。

ただ、やはり何故かは分からないが心に残るようなインパクトは全く無く、恋人同士が映画を見に行くのにはピッタリな作品だと思うが名作と呼ばれるには全てが足りない。

総評としては、誰かと恋に落ちたい人や、恋愛に繋がる人生を今まさに送っている人間にとって心から惹かれ引き込まれる映画であるし、全体的な雰囲気は上々で良い作品といえる。ただ、心から素晴らしいと言ったり、DVDを手元に置いておきたい!という作品ではない。難しい作品だ。
ヴぇる

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