すずき

おじいちゃんはデブゴンのすずきのレビュー・感想・評価

おじいちゃんはデブゴン(2016年製作の映画)
3.2
ロシアと中国の国境近くの街に住む老人、ディン。
彼はかつて要人警護のエキスパートだったが、退職後、自分のミスで孫娘を失い、その所為で一人娘には縁を切られている孤独な老人だ。おまけに認知症気味で肥満。
世捨て人の彼が唯一心を許しているのは隣に住む少女チュンファで、ロクデナシの彼女の父親レイに変わって、祖父代わりに親身になっている。
ある夜、レイはギャンブルの借金のゴタゴタからヤクザに狙われ、そしてチュンファも危険な目に合う…

「コマンドー」「96時間」みたいに、割と早い段階で娘が攫われて、それを助け出す爺、という構成だと思っていたんだけど、ちょっと違った。
救出の為のバイオレンスアクションがメインじゃなくって、孤独な老人と家庭環境に問題がある少女との、心温まる触れ合いがメインなのだ。
「おじいちゃんと孫」モノに弱い人ならそこら辺も楽しめるかも。

だがクライマックスには当然サモ・ハン爺が暴れる!
しかし老いて以前にも増して太ったサモ・ハン、さすがにアクションのキレは落ちたか、それとも今作はそーゆーキャラ設定だからか、「動けるデブ」感は無かった。
スローモーションっぽい演出多用でなーんか、ごまかされてる気分。

あとヤクザが誰一人として銃器を持っていないのはどーなんだろ。
ロシアンマフィアの殺し屋は持っていても良さそうなのに。
まあ銃使われたら、今作のサモ・ハンだと詰んじゃう可能性大なんだけど。なんせデブで足腰弱った爺だから走れないもの!

そんな足回りの敏捷性はダメダメだけど、接近戦の強さは流石。
要人警護のプロフェッショナルだけあって、打撃対策は完璧、敵の攻撃を
受け流して次々と骨折させていく!スタイリッシュ骨折アクション!
でもこの映画のストーリー、結果論だけど、実はサモ・ハンは何も行動しなくても、全て解決するんだよなぁ。
これがホントの「骨折り」損のくたびれ儲けってね!HAHAHA!

想像よりは物足りなかったけど、悪くはなかった。
チュンファの可愛さと、ラストの後味の良さでスコア+0.2。