言われてみると3人の共同監督で製作されている感覚があるけれど、どうももうひとつ、ブレイクできてない感じがする。
序盤のいくつかの犯罪シーンから入って、そこから広げる風呂敷があるけれども、そこにものを包むか包めないかのところが物語の要になるため、どうしても最終的な着地地点で感じる尻すぼみ具合が大きすぎてがっかりする。ケイパーもの… じゃ、ないの? という具合。
鞄に隠し持った小銃をどう使うかとか、短くなった葉巻を箸でつかんでふかすとか、細かい演出のきらめきはあるけれど、それも結局はハッタリに終わる感じの、負けた感が切ない。
正直、これが師匠のジョニー・トー指揮だったならどうなっていただろう、という「もし」の部分を気に掛けさせてしまううちは、まだまだ精進の余地ありなのでは。