このレビューはネタバレを含みます
医者の父親のもとに生まれたJINとHIDE。兄のJINは医者になることを勧める父親に反発し、好きな音楽で生きていこうと奮闘する。一方弟のHIDEは医学部入学を目指すがうまくいかず、目標を歯医者にシフトし、歯学部合格を目指し勉強を始める。
GReeeeNのボーカリストHIDEと、その兄でプロデューサーのJINの生い立ちを描いた作品。顔出しをせず、素性が謎に包まれているGReeeeNについて、少しは知ることができたと思う。
親の期待やプレッシャーを受け続けることは、ありがたいことであると同時に苦しいものだと思う。親の期待に応えようとするばかりに、本当の自分の望みが見えなくなってしまうことも多い。好きなことだけやっているのはダメだと言ったり、職業に貴賤があると考えてしまうことは愚かなことだと思う。直接人の命を救う医者という仕事は確かに尊い仕事だが、それ以外に間接的にでも人を救うことのできる仕事はたくさんあるし、誰かから必要とされる道は無数にあると思う。
何かを目指して一生懸命に努力しても、それが実らないことは当然あるし、諦めなければいけない瞬間もあると思う。だけど、頑張ってきた日々はなかったことにはならないし、必ずその後の自分にとって糧となってくれる。自らの夢は破れたけど、弟のプロデュースをして成功したJINを見て改めてそう思った。
歯医者とアーティストの二足の草鞋を履くことは、常識的に考えれば不可能だと思ってしまう。だけど、それを実際に実現しているGReeeeNがいることで、不可能も可能になると思える。自分の可能性を決めるのは自分自身だけ。自分が諦めない限り、どんな夢でも叶う可能性はある。だから、やりたい事はなんでもやっていきたい。いつか、好きなことを通じて人から必要とされる人間になれるように。
夢を追い続ける苦しさと楽しさの両方を感じることができた。この作品を通じて、GReeeeNというアーティストのことが以前よりもっと好きになった。