マクガフィン

トリガール!のマクガフィンのレビュー・感想・評価

トリガール!(2017年製作の映画)
3.3
鳥人間コンテストに挑む若者たちの学園ギャグ映画。鑑賞中は漫画の実写と思ったら、小説の実写。コメディ映画というかギャグ映画なので、当然だが面白く・笑えるかどうかが大きなポイント。原作未読。

『帝一の圀』で実写映画を心得た演技をした間宮は今回も存分に発揮。
土屋太鳳も吹っ切れた演技で間宮との兼ね合いも良く、主演2人の演技と演出が大仰な分を部長・高杉真宙や土屋の友達・池田エライザが落ち着いた演出をしてバランスが良く、わかりやすい構成にしたことで、意外と調和している。

特に冗長なく最後まで突き抜けた事も良く、最後のフライト中に様々な人の様々な感情が爆発する演出構成もこの映画ならではで、轟二郎を知らないのに笑えた事は演出につきる。

主演2人の毒舌でシュールで畳み掛けるよなやり取りは最後まで続くが、ツボに嵌り何度も笑ってしまった。映画館でこれ程笑ったのは『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』以来。正直この監督で笑うとは思っていなかった。

しかし突っ込みどころも多い。ナレーション代わりに登場したナダルの配役はこの作風では許容範囲だが、声にエコをきかせて聞き取れなかったり、説明以外に登場したシーンは理解不能。また、飛行着地のシーンとその後に機体が壊れたシーンは各2回ともスルー。両方とも鳥人間コンテストの醍醐味をカットした構成には疑問。また、水の恐怖に打ち勝つ数々の伏線の特訓も見事にスルー。

最近、鳥人間コンテストを見ていないのが良かったかもしれない。好き嫌いはわかれると思うのでお薦めはできないが、意外と満足はでき、久しぶりに鳥人間コンテストを見たいと思った。