キミシマユウキ

哭声 コクソンのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.0
何の変哲もない田舎の村に現れた謎の日本人。彼が来てから村では身内が家族を惨殺する殺人事件が連発しはじめて…

『チェイサー』『哀しき獣』の
!!ナホンジン監督!!
によるサイコホラー映画。
劇場公開時とんでもなく評価されていたので鑑賞。


ー疑え、惑わされるなー


こりゃとんでもない怪作が出てきた。
今まででは直接的な暴力描写とスピーディな展開を得意としていたナホンジン監督が、ねっとりじわじわと追い詰め少しずつ首を絞めていくような恐ろしいホラー映画(?)を作り出したのだ。
惜しむらくは我々日本人の宗教観に問題がある。
"なんちゃって仏教徒"が大半であり、宗教とはかなり無縁な我々は今作のキリスト教的メッセージに気付くのが非常に難しいらしい。そのため難解だとかよく分からないと言われてしまう。
かくいう自分も鑑賞後1時間くらい調べてやっと理解したクチなので人のことは言えないが(笑)
しかし精神を抉る描写、グロ描写、そして謎が謎を呼ぶ展開などたとえ頭で理解出来なくても本能で興奮できる作品になっている。

主演の情けないオッサン刑事役は全く知らない人だったが上島竜兵に似てる。そりゃ頼りなく見えるわ(笑)
クァクドウォンと言うらしいのでチェックだ。
そして何よりとんでもないのが謎の日本人役の國村隼。
怖過ぎァァァ!!!
この映画公開後、韓国の子供たちに彼の名前を言うだけで恐れられるくらいの影響だったらしい。
外国人として初めて韓国で権威のある青龍映画賞を受賞してしまうほどだ。
あと娘役はめっちゃ体張ってました。

ラスト1時間はもはや息すらさせてくれないほど緊迫の展開が待っているので心してかかるように。

ー人々は恐れおののき霊を見ていると思った。
そこでイエスは言った。なぜ心に疑いを持つのか。
私の手や足を見よ。まさに私だ。触れてみよ。このとおり肉も骨もあるー

ルカによる福音書 第24章

ホラー映画好き、難解ぽい映画好き、そしてとんでもない日本人國村さんを観たい方にはオススメの作品。