ディー

哭声 コクソンのディーのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.0
視点。

現実的視点で見れば、この映画は毒キノコと村のお話。
または神と悪魔の闘い、非現実的なお話になる。

序盤から終盤にかけて、分かりやすく毒キノコが出てくる、…割には呪いの為と思われる猟奇殺人が横行する。
これはどちらの視点としても正しくて、観客混乱させる為の一つのプロット。
よくできているなぁ、と思わされました。

主人公を軸にしたお話としては、人を信じなかった、神様を信じなかった、殺してしまった、罪としての代償のお話。(?)
最後の、「鶏が3回鳴くまでに」…の場面においては、
1現実的視点:鶏が3回鳴いてから帰っても既に家族が殺されていた、寧ろ早く帰れば帰るほど家族が助かったかもしれないという"事実"。
2非現実的視点:鶏が3回鳴く前に帰ってしまったから殺された、3回鳴くのを待ってから帰れば殺されていなかったという"構造的事実"。
どちらも正しく映る事の不思議さが、この映画をより奇妙なものとして写す。
最後の國村隼のシーンもしかり。
見ようと思えばそれは神様。
見ようと思えばそれは悪魔。
…結局何が言いたかったんだろ 笑
ただただ奇妙だった。

映像だけでなく、映画的構造の恐ろしさ。
そして難解。笑
巧妙で、精神的にかなり痛めつけられる映画でした。
ディー

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