Yarrtt

ディストピア パンドラの少女のYarrttのレビュー・感想・評価

3.0
今日たまたまアートフロントで発見した元田久治のtowersを思わせる荒廃した「ディストピア」。


音と映像が良い。
今時は走るゾンビが当たり前のようだが(今作でも動くときは走る)、ゾンビを静止させじっくり映し、はじめて美術的に近い絵を画面にもたらした設定は新鮮で良い。
しかしゾンビはゾンビなので笑えるほどクリシェな動きはもちろん多い。

子供が殺生を行うのでなかなかの問題作。
映画自体の最大の問いに対しては、重圧な答えがラストでもたらされるので満足。(決して格好よくはない、説明的すぎるラストではあるが。)

しかし人間の、少女の葛藤の部分への言及が成されず非常に残念。
結果、平面的なゾンビ映画の域を後一歩で抜けられず。
そんなに美味しいところを何故もっと掘り下げないの!と。

「エヴォリューション」(2016)を思わせる、良作になる可能性を孕む!、、は言い過ぎだろうか、しかし誠に惜しい作品。
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