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ディストピア パンドラの少女のserinaのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

若干、筋が通らないことはあるとしても構成も設定も面白かったから、全体のレビューは低いけど、個人的な満足度は高かった作品。

ゾンビ系映画、名称ハングリーズは、間を見つけたら全力疾走で噛みつきに襲ってくるから、刀や枝の出番はなく、基本的には、シューティングのみ効果あるタイプ。変異の原因は真菌感染症で、原因はタイワンアリ茸(閲覧注意: https://wired.jp/2019/08/22/now-we-know-how-the-zombie-ant-gets-its-bite/ )。体液を介して感染する。メラニーを含む施設で管理された子どもたちは、赤ん坊で発見された当時、明らかに感染しているのに思考力があった。出産現場のお腹にいた子どもたちも胎盤を通じて感染したが、彼らは母親を食いちぎって出てきたことで、病原体に対する抗体があったために菌に支配されずに共生していることがわかっており、ワクチンの研究のために管理されている。思考力のある子どもたちを教育する女性が一人の生徒メラニーに感情移入してしまうことで、施設が襲撃されたタイミングで一緒に逃亡する話。

ハングリーズは音と匂いと動きに反応する模様。ただ、この映画の中では、消臭効果のあるブロッカージェルが存在するから、あとは音を立てずにゆっくり動くことで真横を通っても気づかれない。ただ、メラニーと同類のセカンドジェネレーション?って呼ばれる部類の思考力のあるハングリーズには効果がなくなったり、どこでハングリーズが覚醒するかはイマイチ掴みどころがわからない。

白髪の博士がTWD初期シーズンのキャロルと言動が丸かぶりなので非常に不愉快な件!笑

「獣になるくらいなら自ら命を絶つ。」冒頭のストーリーはフラグか?とも思ったんだけど、最悪のシナリオは回避されてまさかのまさかなオチ。ソルジャーがメラニーのためにした行動がアダとなったのは悲しい。残った先生どうやって飲食料調達してるの?なんで涙流しながら眠りから覚めるんだ?っていう最大の疑問は残るけど、綺麗な形で終わった。

「人間の世界じゃなくなっただけ」ってまるで、ジブリのナウシカみたい。そもそも地球って別に人間だけの場所じゃないし、今ある人工的なアスファルトと高い建物だって地球が望む姿とは限らない。だからこそ、ハングリーからライフサイクルの新たなプロセスとして植物と化して、菌を含む種となるのは、面白いと思ったし、死んでわざわざ火葬してどっかに保管したり、土葬して決められたエリアに埋めて終わるより、地球視点では生産的だなとは思う。(非人道的な発言ってことは重々承知ですけども。)

まあ、ゾンビ映画のブレない共通点としては、結局何気に一番怖いのは「人間」ってところ。これはホラー映画にも通ずるけど、どうしてこうもここまで落ちぶれた世界で使命感とか利己的な選択を次から次へとなす人がいるのか本当に不思議。

ディストピア;表面的には秩序だって管理の行き届いた世界に見えるが、その内実は極端なまでの管理社会であり言論の自由などがないユートピア(理想郷)と逆の社会を描く。

パンドラの箱は人々の好奇心によって開かれ不幸をもたらす。しかし、パンドラの箱には、希望も詰まっている。希望は、悪いことに立ち向かうことができる。
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