AKIRA

21世紀の資本のAKIRAのレビュー・感想・評価

21世紀の資本(2017年製作の映画)
-
大きな政府を目指す思想を持つ人々にとって、資本家優位の現行システムへの問題点への打開策として引っ張ってこられる法人や金持ちへの税負担。それについて考えさせられる一本。
本作は歴史という前例を紹介しつつ格差は良くないと述べられてはいるが、現在の技術的な前提条件から述べられているわけではない。ひねくれた見方かもしれないが、国家の収益を上げるための口実のように思えてしまう場面もしばしば。とはいえ、パミューダにおけるタックスヘイブン云々のあたりでの法人税回避のシーンでは、多国籍企業の組織的な狡猾さを思った。この点に関しては、法人税逃れが不可能でその国にきっちりと税を落とせる消費税を上げるのが合理的なのかもしれないと思わせられた。
マクロレベルで活躍する人々はさておき、個人レベルの話においては、相対的に測れるような数値化して序列化できるようなものばかりで考えているからよくないように思う。娯楽について言えば、昔は本屋やビデオ屋とかで一冊一本単位で高い金を払わねばならなかったが、今やサブスク化が当たり前だしネットが繋がれば無料で出来る事も多い。ユニクロ的な安い衣服屋だっていくらでもある。僕的には自身の収入は激減しても、何に使われるか不透明で無駄に使われるかもしれない政府が儲かるよりも、人々の生活に根ざしたインフラ的な企業が金銭的余裕から客単価をガンガン下げまくってくれる方が幸福度的には得をする気がする。
ま、でも政治経済(とりわけ民主制と資本主義)といったシステムの根幹は、生きているだけで強制的に関わらざるを得ないのでこれからもこの分野は勉強していき何が正しいのか考察を深めていきたいと思わせられました!
AKIRA

AKIRA