そらりす

21世紀の資本のそらりすのレビュー・感想・評価

21世紀の資本(2017年製作の映画)
4.0
重厚な書籍とは趣が異なり実証的ではありませんが、確かな研究に支えられた上澄み部分の主張をダイナミックに見せてくれて面白いと思います。

書籍は、資本収益率(r)>経済成長率(g)という極めてシンプルな関係が時代や国を超えて普遍的に成り立つことを膨大な資料をもとに帰納的に実証し、それに基づいて政策提言を行っています。つまり、資本には経済上ないし政治上の力学を介して自己増殖的性質があり、格差自体を是認するにしても、システムが戦争などのハードクラッシュなしに均衡を保ち持続可能であるためには、資産課税等による積極的是正が必須であることを示しています。

ピケティの新著邦訳『資本とイデオロギー』も楽しみです。
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