マシュウ

21世紀の資本のマシュウのレビュー・感想・評価

21世紀の資本(2017年製作の映画)
3.5
相続というものが権力と富の集中に一役買っていることを学んだ。要するに資産家から子に富が移るということは、投資で得た資本を再投資するようなものだからだ。その意味で、相続や不労所得に税をかけないといつまでも格差が是正されないという現実がある。

多国籍企業の税の逃げ道を潰すことができないから、とりあえず政治家や活動家は移民を批判して溜飲を下げているという指摘は鋭いと思ったし実際にそういう現状が各国であると思う。トマピケティが言う通り結局民主主義とは、聞こえがいいもののエリートを再生産する仕組みにすぎないのだろうか。政治家は企業から献金をもらっているので金持ち優遇の政策がなくなるとは思えないし。

資本主義は共産主義のようなイズムではなく経済の仕組みなので、格差を是正するには今後相当タフな道のりを歩んでいかないといけないと思う。個人的にトリクルダウンなんて起きるわけがないと思っているので選挙しかないんだろうけど不安が募るばかりだ。
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